サバンナは、野生のネコ科動物であるサーバルキャットとイエネコを人工交配して誕生した猫種です。 サバンナについてもっと詳しく見ていきましょう。 |
♦基本情報♦ 原産国:アメリカ 被毛のタイプ:短毛種 体重:オス 6.5~13㎏、メス6~10㎏ 体長:50~70㎝ 寿命:17~20年 公認団体:TICA |
サバンナの歴史
サバンナは、野生のネコ科動物であるサーバルキャットとイエネコを人工交配して誕生した猫種で、記録上最初のサバンナは1986年4月7日に誕生したとされています。第1世代のサバンナは、サーバルキャットとサイアミーズ(シャム)を交配させたものでしたが、サーバルキャットを入手するには保護条例や飼育規制があり、野生の血が濃く気性の荒い個体を交配に用いられるまでに飼いならすことには困難が多く、サバンナの育種はなかなか進みませんでした。新しい猫種としてTICAに登録されたのは2001年で、キャットショーに正式に出場出来るようになったのは2012年になってからです。
サーバルキャットとの交配には、似たような模様を持つベンガルやエジプシャンマウ、オシキャット、オリエンタルなどが用いられることが多いようです。第1世代~第4世代まではサーバルキャットの遺伝子の割合が50%以上になる個体が生まれるため、イエネコではなく特定動物として届け出を行い、飼育規制を守らなければなりません。アメリカの一部では野生動物と認定されており飼育が禁止されている州もあります。
サバンナの特徴
サバンナは、四肢は長く前足より後ろ足が長く細い首ですが筋肉質な身体をしています。頭部は逆三角形で小さく、大きな耳はイエネコに比べると間隔が狭く、正面ではなく斜めか横向きについてきます。目はアーモンド型でやや吊り上がり気味です。目頭から鼻筋に沿って黒い模様が入っている個体が美しいとされています。
サバンナは、何世代であるかによって大きさや気性の荒さが違ってきます。
第5~7世代(F5~F7)
ペットショップやブリーダーで見かける個体はほぼこの世代で、飼育規制などはありません。大きさも外見も通常のイエネコと変わらず、一般家庭で飼われるのにちょうどいいサイズや性格をしています。
第4世代(F4)
この世代は、サーバルキャットの遺伝子が50%を超える個体もあり、見た目も野生に近くなってきます。野性に近い外見のサバンナを入手したい方はこの世代あたりが妥当ですが、お住いの地域や自治体によって飼育許可が必要な場合がありますので入手する前に確認が必要です。
第3世代(F3)
この世代では、見た目はイエネコよりもサーバルキャットに近くなります。大きさもオスでは10kgを超える個体もあり、国内で入手出来るのもこの世代あたりまでです。個体数が少ないため、どうしても入手したい場合は海外輸入をする必要があります。見た目や大きさから特定動物として扱われ、都道府県知事の飼育許可が必要になります。
第2世代(F2)
サーバルキャットのクォーターで、イエネコの血はほぼ見られず野性的になり、国内で入手することは困難です。爪や牙が尖っており、都道府県知事の特定動物の飼育許可が必要になりますが、お住いの地域や自治体によって許可が出るかどうかわかりません。
第1世代(F1)
サーバルキャットのハーフです。14㎏程になる個体もおり、爪や牙が大きく尖っていて見た目も大きさもイエネコには見えません。この世代のオスは生殖能力がない個体が多いと言われています。都道府県知事の特定動物の飼育許可は必須で、許可が無ければ購入することも出来ません。
サバンナの性格
賢くて社交的
サバンナはとても賢く、ドアを開けたり蛇口をひねって水を出したりする個体もいるようです。社交的で人懐っこい性格ですが、多くの人と仲良くなるよりは特定の一人に懐くことが多く、飼い主の後ろをついて回る姿は犬に例えられることもあります。
活発で遊びが大好き
サバンナは、運動能力が非常に優れており特にジャンプ力が凄く、垂直飛びで2.5mほども飛び上がることが出来るため、ドアのてっぺんや冷蔵庫の上などに飛び乗ることも出来ると言われています。身体も大きいため、走り回れる広い空間や丈夫なキャットタワーを用意してあげましょう。
サバンナの被毛や目の色
サバンナの被毛は短毛で、柔らかいアンダーコートと粗目のガードヘアを持っていますので、抜け毛の量に応じて1週間に1、2回ほどブラッシングをしてあげましょう。カラーやパターンはブラウンスポテッドタビー、シルバースポテッドタビー、ブラック、ブラックスモークが公認されています。ブラウンは濃淡様々な色合いがあり、ゴールドに近いものからベージュに近いものまであります。交配種によって他の毛色の個体も生まれる可能性はありますが、公認されているのは上記の4種のみです。
目の色はゴールド、イエロー、ヘーゼル、グリーンで、目頭から鼻筋に沿って涙跡の様な黒い模様があります。
サバンナのかかりやすい病気
サバンナは、野生のネコ科動物のサーバルを基礎にしているため、比較的健康な猫種と言われています。
心筋症
心臓の筋肉に異常が起こり心臓の働きが低下することで全身に血液を送る働きが出来なくなる病気です。
尿路結石症(尿石症)
腎臓から尿管、膀胱、尿道の中に結石や結晶が出来、傷つけたり詰まったりすることで血尿が出たり、膀胱炎を引き起こしてしまう病気です。
サバンナを飼うのに気をつけること
ストレスに気を付ける
サバンナは特定の人に懐く傾向があるため、飼い主のことが大好きで甘えたい性格をしています。飼い主がいつも外出して放ったらかしにしてしまうと、寂しさや嫉妬心からイタズラをするようになります。イタズラといっても、一般的な猫よりも身体が大きく力が強いため家中ボロボロになることもあります。また、野生の血を引き継いでいるため小動物と一緒に飼うことはお勧めしません。
室内環境
サバンナのF1~F3は野生の血を濃く引き継いでいるため、飼育するためには都道府県知事の飼育許可の取得が必要です。飼育条件として、「専用のゲージを用意する」「完全室内飼育にする」など猛獣を飼育するのと同じような条件があります。F4以降の世代の個体においてもとても活発に運動するため、動き回れる空間と大きな身体に耐えられる丈夫なキャットタワーを用意してあげましょう。水を怖がらないためシャンプーは楽ですが、飼い主がいない時は思わぬ事故に遭わないために、水回りの施錠をしましょう。とても賢いため簡単な鍵などはすぐ開けてしまいます。水回りだけでなくドアや窓の脱走対策は十分すぎるほど行いましょう。
サバンナの動画
サバンナの魅力を言葉だけではなく、映像で紹介します。
引用元:Living with Savannah cat
まとめ
サバンナは、野生の血を引き継ぐ猫種でとても活発に動き回ります。希少な猫種で野生に近い世代になる程とても高額な値段になります。国内でも取り扱っているブリーダーはいますので、野性味のある猫を入手したい方はぜひ探してみてくださいね。