日本猫(和猫)は特定の品種ではなく、日本で古くから暮らしている猫の総称です。 日本猫(和猫)についてもっと詳しく見ていきましょう。 |
♦基本情報♦ 原産国:日本 被毛のタイプ:短毛種 体重:オス 4.3㎏~5.5㎏、メス 3.1㎏~4.2㎏ 寿命:13~16歳 公認団体:ー |
日本猫(和猫)の歴史
日本猫(和猫)の歴史は、8世紀の奈良時代にネズミから経典などの大切な書物や穀物を守るために中国から輸入されたのが始まりと言われています。その後しばらくは日本猫(和猫)として定着していましたが、戦後にサイアミーズ(シャム)やペルシャなどの海外の猫が人気となり、たくさん輸入されたことから混血が進んでしまったため、日本猫(和猫)を保存するための活動が行われています。日本猫(和猫)は古くから日本に暮らしている猫の総称のため、公認団体などはありません。純血種ではないため、雑種猫の1つと考えられています。
日本猫(和猫)の特徴
日本猫(和猫)の身体は、しっかりとした太い四肢を持ち丸みを帯びた体型をしています。顔も丸く鼻筋が通っており、先が丸い耳とやや吊り上がった目を持っています。尻尾が長い子や途中で折れ曲がっている「かぎしっぽ」を持つ子もいますが、海外では日本猫(和猫)=尻尾が短いイメージが強いようです。そのため、アメリカで短い尻尾を持つ日本の猫として「ジャパニーズボブテイル」が繁殖され正式な品種として認められており、日本の猫で唯一正式な品種として認められている猫となりました。被毛の色は、ホワイト、ブラック、レッド、ブルーが組み合わさった様々なパターンがあり、海外では珍しいため人気があります。伴性遺伝(ばんせいいでん:性染色体に依存する遺伝)の関係で、ホワイト部分の面積が多い猫にはメスが多く、ホワイト以外の色の猫はオスが多いと言われています。また、三毛猫とサビ猫はほぼ全てがメスで茶トラはオスが生まれやすい傾向にあると言われています。鳴き声は透き通るような声をしています。
日本猫(和猫)の性格
穏やかで人懐っこい
日本猫(和猫)の性格は、もともと持っている性格に加え、生活環境や飼い主の影響を受けるため個体によって様々です。一般的な性格としては、穏やかで初対面では警戒心を見せるものの、気を許した相手には人懐っこく甘えん坊な姿を見せると言われています。
日本猫(和猫)の被毛や目の色
日本猫(和猫)は短い被毛の子が多く、耳の周りの被毛は特に短いです。ダブルコートを持つ個体が多く抜け毛の量はそれなりにあります。1週間に1、2回のブラッシングしてあげましょう。換毛期は抜け毛の様子を見て回数を増やしましょう。パターンは、主に6種類に分類されます。
ソリッド(単色)
ホワイト:全身が白く、目色はブルー、ゴールド、オッドアイ ブラック:全身が黒く、目色はゴールド ブルー:全身が灰色、目色はゴールド レッド:全身がオレンジ色、目色はゴールド |
バイカラー(二色)
地の色がホワイトで、特定の別の一色が入っており、目色はゴールド ブラック&ホワイト、ブルー&ホワイト レッド&ホワイト、タビー(縞模様)&ホワイト |
キャリコ(三色)
三毛:地がホワイトで単色のブラックとレッドの班模様があり、目色はゴールド トビ三毛:ほぼ全身が白く、耳周辺と尻尾に単色のブラックとレッドの班模様があり、目色はゴールド、ブルー、オッドアイ 縞三毛:地がホワイトでブラックとレッドの縞模様があり、目色はゴールド |
バンバイカラー(班模様)
ほぼ全身の色がホワイトで、耳周辺と尻尾の他2、3個の班模様があり、目色はゴールド ブラック&ホワイト、ブルー&ホワイト レッド&ホワイト、タビー(縞模様)&ホワイト |
タビー(縞模様)
サバトラ:地がブルーグレーに黒の縞模様があり、目色はゴールド キジトラ:地が赤茶色に黒、または黒褐色の縞模様があり、目色はゴールド 茶トラ:地が淡いオレンジ色で濃いオレンジまたは茶の縞模様があり、目色はゴールド 雲型:縞模様ではなく雲型のような渦巻き模様でブラックやレッドがあり、目色はゴールド |
パーティカラー(サビ猫)
全体的にブラックの地色にクリームやレッドがまだらに配色されており、目色はゴールド |
日本猫(和猫)のかかりやすい病気
日本猫(和猫)は、身体が丈夫で特徴的な先天性の疾患や問題については報告されていません。下記は一般的な猫がかかりやすい病気です。
腎不全
腎臓が徐々に炎症を起こして機能が低下している病気です。
心筋症
心臓の筋肉に異常が起こり心臓の働きが低下するころで全身に血液を送ることが出来なくなる病気です。
ウイルス性鼻気管炎
猫のヘルペスウイルスが原因で起こる「猫風邪」の1種です。
カリシウイルス感染症
「猫風邪」や「猫のインフルエンザ」と呼ばれる感染症です。
尿路結石症(尿石症)
腎臓から尿管、膀胱、尿道の中に結石や結晶が出来、傷つけたり詰まったりすることで血尿が出たり、膀胱炎を引き起こしてしまう病気です。
日本猫(和猫)を飼うのに気をつけること
ストレスに気を付ける
日本猫(和猫)に限らず、猫はストレスを溜めやすい動物と言われています。飼い始めの慣れないうちは警戒心を見せる子もいますので、無理に触って慣れさせようとはせず少しずつ警戒心を解いていくようにしましょう。また、性格によりますが寂しがり屋で留守番が苦手な子の場合、飼い主がいつも外出していることでストレスを感じる子もいるようです。性格を把握し、寂しがり屋の子にはたくさんスキンシップを取るようにしましょう。
室内環境
日本猫(和猫)のような短毛種は、比較的活発で運動量が多いと言われています。走り回れる空間とキャットタワーを用意してあげましょう。
日本猫(和猫)の動画
日本猫(和猫)の魅力を言葉だけではなく、映像で紹介します。字幕付きです。
引用元:CAT ISLAND in Japan! 猫島 (宮城県) Tashirojima
まとめ
日本猫(和猫)は、純血種のようにペットショップで入手するのではなく、里親募集や譲渡会、捨て猫を保護することで一緒に暮らすことになります。高いお金を出して入手しなくても、一緒にいてその子の性格や好みがわかってくると飼い主にとってかけがえのない存在になるでしょう。