身体のしくみ

暗闇で光る猫の目の構造や表情から読み取れる気持ちについて

猫が苦手な人の中には「猫の目が怖い」という方もいますが、猫好きにとっては猫種によって違う色や明るさによって大きさが変わる瞳はとても魅力的ではないでしょうか。

この記事では、そんな猫の目の構造や役割について紹介しています。

目次

猫の目の構造

人よりずっと小さい猫ですが、眼球の大きさは人と同じくらいのサイズです。

少ない光をなるべく多く眼球内に取り入れるために、猫の目は水晶体(すいしょうたい)と呼ばれるレンズ部分や角膜が発達していて、その大きさのために屈折率が大きく近視傾向になっています。

レンズが大きいため、人の目では普通に見える白目と呼ばれる強膜(きょうまく)が猫の目ではほとんど見えません。

毛様体(もうようたい)は、毛様体筋と毛様体突起から構成される目の周りの組織で、水晶体の位置を保持する役割があります。

強膜の内側にある脈絡膜(みゃくらくまく)は血管がたくさん分布された結合組織膜で、網膜に栄養を与える役割があります。

網膜(もうまく)は、目が捉えた映像を神経信号に変換する役割があり、視神経を通して脳中枢へ信号を伝えます。

人の目と猫の目の最も大きな違いは、網膜の裏側にタペタムという薄い膜があることです。

タペタムは網膜を通過した光を鏡のように反射し、その光を増幅させ再び網膜に感じさせます。

暗闇で猫の目が光るのも、この反射機能によるものです。

猫の目は、光が全くない暗闇では人間と同じ様にものを見ることが出来ませんが、月明かりほどのわずかな光さえあれば、自身の力でその光を増やすことが出来るため暗闇でも自由に動くことが可能です。

猫の目の外観

名称

角膜

猫の目の角膜(かくまく)は人と比べると非常に大きくて、眼球の外層の約3割を占めるほどです。

そのため、猫の病気には角膜炎や角膜潰瘍(かくまくかいよう)のような目に関するものがたくさんあります。

虹彩(こうさい)

虹彩は角膜と水晶体の間にある薄い膜で、瞳孔の大きさを調節して網膜に入る光の量を調節する役割をしています。

猫の目の色にはいくつかの種類がありますが、この虹彩の色の違いによって分けられています。

瞳孔(どうこう)

人の目も猫の目も、明るさによって瞳孔の大きさが変化します。

丸い瞳孔である人と違い縦長の長円瞳孔(ちょうえんどうこう)を持つ猫の目は、明るい場所では細長くなり暗い場所では真ん丸になります。

長円瞳孔は丸い瞳孔よりも大きく開いたり素早く開閉できるという特徴があります。

目の色

猫の目の色は虹彩という膜の色によって違いますが、この色はメラニン色素の多さで異なります。

メラニン色素が少ない順にブルー<グリーン<ヘーゼル<イエロー<アンバー<カッパーと濃い色になっていきます。

日光の少ない地域の猫は色素の少ない色の目になり、日差しの強い地域の猫は色素の濃い色の目になると言われています。

生まれてすぐの子猫は虹彩に色素が沈着していないため青い目をしており「キトゥン・ブルー」と呼ばれています

生後3週間くらいから虹彩に色素がつき始め、徐々に本来の目の色に変わっていきます。

青系統の目の色の猫

目の色がブルーやアクアなどの青系統の色に見える猫は、メラニン色素細胞をほとんど持っていません。

私達の目から見ると青に見えますが、実際にはほぼ透明な色をしています。

青系統の目のシャム

サイアミーズ(シャム)

青系統の目のヒマラヤン

ヒマラヤン

青系統の目のラグドール

ラグドール

緑系統の目の色の猫

目の色がグリーンやヘーゼル(内側がグリーンで外側がブラウンのグラデーション)などの緑系統の色に見える猫もメラニン色素量がやや少なめです。

緑系統の目のベンガル

ベンガル

緑系統の目のロシアンブルー

ロシアンブルー

黄色系統の目の色の猫

次にメラニン色素量が少ないのがイエローやゴールドなどアンバー(琥珀)色の目です。
下に記載している褐色系統の目の色とともに日本の猫に多い色です。

黄色系統の目のキジトラ 黄色系統の目の三毛猫

褐色系統の目の色の猫

最もメラニン色素が多いのがオレンジやカッパー(銅)色の目です。

上の黄色系統の目の色とともに日本の猫に多い色です。

褐色系統の目のブリティッシュショートヘア

ブリティッシュショートヘア

血色系統の目のボンベイ

ボンベイ

特殊な目の色の猫

猫の目の色は通常は上記した色のどれかに当てはまりますが、稀に変わった目の色をしている個体も存在します。

アルビノ白猫

赤みがかった目の色

メラニン色素を全く持っていない「アルビノ」と呼ばれる突然変異種において見られる目の色です。

アルビノ猫の特徴は、被毛が真っ白で目の虹彩色素も抜けているため血管が透けて赤みがかった色に見えます。

オッドアイ白猫

オッドアイ

左右の色が違う目のことをオッドアイと呼びます。

白猫に生まれる可能性が高く、白猫の約25%がオッドアイです。

このタイプの猫は、色素の欠乏に関係する遺伝子が耳の中の器官に影響を及ばし、青い目と同じ側の耳に高確率で障害を持っていることが多いです。

事故や病気が原因で後天的にオッドアイになることもあるようです。

ダイクロイックアイ白猫

ダイクロイックアイ

とても珍しい目の色で、1つの目の中にヘーゼルのようなグラデーションではなく、はっきりと別れた複数の色を持っています。

猫の視力

猫は人の6分の1ほどの光の量でも十分ですが、視力は人の10分の1ほどと言われています。

きちんと識別できるのは10m先くらいまでで、静止しているものはぼんやりとしか見えません。

猫が首を傾けるのは、見えにくいものをしっかりと見ようとして目の角度を変えているためだと言われています。

しかし、動いている物を認識する動体視力は非常に優れていて、小動物がちょこまかと動こうスピードの時に最も発揮されます。

猫じゃらしやねずみのおもちゃを動かし始めると、猫は本能的にその動きに合わせて目を動かし飛びついてきます。

猫が最もはっきりと対象を見ることが出来る距離は約75㎝と言われており、狩りをする時にちょうど追いかけている獲物の位置に当たります。

猫の目は近視傾向にあるとはいえ 25㎝より近い場所に焦点を合わせることは難しく、同じ猫でも外育ちの猫は室内飼いの猫よりも遠視傾向があるとも言われています。

猫の色彩認識

猫の網膜には、白黒を判別する杆状体(かんじょうたい)と色を識別する錐状体(すいじょうたい)と呼ばれる細胞があります。

人には赤、緑、青の3色を認識する錐状体がありますが、猫には緑と青の2色を識別する錐状体しかなく、赤色を識別することが出来ないためくすんだ灰色に見えると言われています。

私達が普段何気なく見ている景色を猫は全く違う色合いで見ているのです。

固形のキャットフードには、お肉を連想させる美味しそうな赤茶色をしているものがありますが、猫には認識できない色のため飼い主が美味しそうだと感じる色にしているのかもしれません。

猫の視野

片目で見ることが出来る視野のことを「単眼視野(たんがんしや)」、両目で見ることの出来る視野を「両眼視野(りょうがんしや)」、2つの視野を合わせたものを「全体視野(ぜんたいしや)」と呼びます。

肉食動物に追われる草食動物は、自分を狙うハンターの存在を見つけやすい様に両眼視野は狭く側面を広く見ることが出来る視野を持っています。

獲物を追いかける側の猫は草食動物と比べると側面の視野が狭い分、前方を走る獲物を捕らえ追いかけるための両眼視野が広くなっています。

猫の目や表情から気持ちを読み取ろう

猫と直接話をすることは出来ませんが、目や表情によって猫の気持ちを読み取ることができます。

・眠たい時

眠たくなると猫の目は少し潤んで白い瞬膜(しゅんまく)が出てきますが、それを知らない人は白目をむいていると驚くかもしれません。

瞬膜は、猫の目頭の瞼の内側にある薄い膜で、眼球を傷つけないように保護する役目をしています。

眠っている時やリラックスしている時に出る瞬膜は問題ありませんが、瞬膜が出たまま戻らないようなら病気や怪我のサインかもしれませんので、動物病院を受診してください。

・リラックスしている時

目を細めながら微笑むような表情を見せている時は、満足してリラックスしています。

この表情の時には喉をゴロゴロと鳴らしていることも多いのではないでしょうか。

猫も満足していますが、飼い主もその表情を見ているととても癒されますね。

・興味を惹くものを見つけた時

猫は視力があまりよくありません。

興味を惹くものを見つけた時は音のする方に神経を集中し、身体を低くします。

その時の目は丸くなったり細くなったりして一生懸命ピントを合わせようとし、音が出る方向を見つめます。

・不安な時

知らない人や場所に対面すると目が半開きになったり、左右の大きさが違ったりすることがあります。

不安や恐怖、警戒心が強い時に緊張してそうなるようです。

ただし、何もないのに左右の目の大きさが違う状態が続く場合は、病気の可能性があるため動物病院に連れて行きましょう。

・怒っている時

怒りで興奮状態になったり、相手を威嚇する時は瞳孔が開き黒目が大きくなります。

明るい場所で猫が目を丸くしていたら、興奮している時なので近寄るのはやめましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

猫と会話をすることは出来ませんが、目の表情でどんな気持ちなのかが少しでもわかると愛情も一層沸いてきますよね。

猫は自身で光を反射し増幅する目を持っているので、くれぐれもカメラで写真を撮る時はフラッシュをオフにしてくださいね。

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