シャンティリーは、名前が二度変わったという変わった経歴を持つ猫種です。 シャンティリーについてもっと詳しく見ていきましょう。 |
♦基本情報♦
原産国:アメリカ 被毛のタイプ:シングルコートの長毛種(セミロング) 体重:オス 3.6~5.4㎏、メス 3.2~4.5㎏ 寿命:15~18歳 公認団体:ACA |
シャンティリーの歴史
シャンティリーの歴史は、1967年頃にある女性が住宅を購入したことから始まります。その住宅には前所有者が残した長毛の2匹の猫がおり、ブリーダーであった購入者は猫達を引き取ることになりました。この猫達はどちらもチョコレート色の艶のある被毛とゴールドの目を持つ猫でしたが、この2匹が交配して生まれた子猫達も同じ外見を引き継いだことから「フォーリン・ロングヘアー」という名前でACAに登録されました。
その後、別のブリーダーに譲られた猫達は「名前が普通過ぎる」という理由で「ティファニー」という名に改名されましたが、その後頭数が少ないことから登録を抹消され、絶滅の危機を迎えてしまいます。
1973年に、カナダで発見されたチョコレート色のセミロングの被毛と金色の目を持つ子猫があるカナダのブリーダーに引き渡されます。このブリーダーは、外見がよく似ていて絶滅の危機に瀕している「ティファニー」を存続させるためこの猫達を用いて交配し、1980年代後半にティファニーは絶滅の危機を脱することが出来ました。しかし、1992年にイギリスで綴りは異なるものの「ティファニー」という猫種が誕生してしまったため、混同を避けるために「シャンティリー」と改名されました。
シャンティリーの特徴
シャンティリーは、胴と尻尾が同じくらいの長さで細身の体型をしています。首の周りの被毛が長く、尻尾もふさふさとしています。耳には房毛があり、後ろ足にも特徴的な豊かな被毛が生え「ペチコート」と呼ばれており、このふわふわの被毛が完成するには、2~3年かかると言われています。顔は横に広く頬骨が出ており、大きな目を持っています。また、他の猫とは違った小鳥のような声を出すことも特徴的で「さえずる猫」と呼ばれることもあります。
シャンティリーの性格
穏やかで友好的
シャンティリーは、友好的な性格のためお子さんや他のペットがいるご家庭でも安心して暮らせる猫です。頭も良いためしつけも楽です。
甘えん坊で寂しがり屋
シャンティリーは、自分のことを気にかけてくれる人を把握する頭の良い猫です。穏やかで大好きな飼い主の膝の上に乗ることも好きですが、適度に身体を動かすことも好きなので、時間のある時はおもちゃなどを使って遊んであげましょう。寂しがり屋なためいつも独りで留守番をすることは苦手です。
シャンティリーの被毛や目の色
シャンティリーの被毛はセミロングですが、アンダーヘアが無く抜け毛が少ないため1週間に1、2回のブラッシングで十分です。換毛期は抜け毛の様子を見て回数を増やしましょう。被毛は滑らかで光沢がありふわふわとした感触です。カラーは、当初はチョコレートブラウンのみでしたが、現在ではブルー、ライラック、ブラック、シナモン、フォーンなどのカラーも認められるようになりました。また、パターンは、マックレルタビー(縞模様)、ティックドタビー(一本の毛の中に複数の色が入っている)、スポテッド(斑点模様)などがあります。この被毛は完成するには2、3年かかると言われています。
目の色は、ゴールド~深いイエロー、ゴールドに近いグリーンなどがあります。
シャンティリーのかかりやすい病気
糖尿病
膵臓で作られるインシュリンというホルモンの働きが悪くなり、血液中の糖が多くなってしまう病気です。
尿路結石症(尿石症)
腎臓から尿管、膀胱、尿道の中に結石や結晶が出来、傷つけたり詰まったりすることで血尿が出たり、膀胱炎を引き起こしてしまう病気です。
腎不全
腎臓が徐々に炎症を起こして機能が低下していく病気です。
外耳炎
シャンティリーは、耳の中にも房毛があるため他の猫種に比べると耳が汚れやすいです。
シャンティリーを飼うのに気をつけること
ストレスに気を付ける
シャンティリーは、寂しがり屋のためいつも独りぼっちで留守番をしている環境ではストレスを抱えてしまいます。時間のある時はおもちゃを使って遊んであげたり、コミュニケーションを兼ねて汚れやすい耳の掃除をしてあげましょう。どうしても外出が多い環境を変えられない場合は、多頭飼いを検討してみましょう。
室内環境
シャンティリーは、穏やかな性格ではありますが遊ぶことも好きな猫種です。上下運動が出来るキャットタワーを用意してあげましょう。運動量が少ない子の場合は、食事の量を調整して肥満にならない様に注意しましょう。
シャンティリーの動画
シャンティリーの魅力を言葉だけではなく、映像で紹介します。言語は英語ですが、映像だけでも楽しめると思います。
引用元:Chantilly | Cats 101
まとめ
シャンティリーは、絶滅の危機を脱することは出来ましたが、世界的にも希少で国内でも認知度が低いため入手するのは困難です。しかし、おしゃべりすることで人気のある「しおちゃん」の姿を見ると、あまりの可愛さに惹き込まれてしまいそうですね。