身体のしくみ

猫の足と肉球について

猫の足は表から見ても裏から見てもとても可愛らしく、思わず触りたくなってしまいますね。そんな可愛らしい猫の足や肉球についてもっと詳しく見ていきましょう。
猫の足の裏
目次

猫の足の指について

アメリカンポリダクティル
一般的な猫の足の指の数は、前足が左右5本ずつ後ろ足が左右4本ずつの計18本あります。後ろ足の親指に当たる部分は退化してしまっているため1本少なくなっています。猫の中には、「アメリカンポリダクティル」や「クリッパーキャット」など多指を持つ品種もいます。多指猫は一般的な猫よりも手先が器用と言われ、昔の船乗り達は船の荷をネズミ達から守るために好んで迎え入れたとされています。

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猫の爪について

猫の爪について
猫の爪は幾重にも重なっていて、飼い猫達の古くなった爪は爪とぎをしたり噛んだりすることで剥がれ落ちます。野良猫など外で暮らす猫達は、気に登ったり走ったりといった生活の中で自然に剥がれ落ちるため爪とぎはしません。猫の爪は普段は収納されていますが、木などに登る時や滑りやすい場所を歩く時、獲物を襲う時は自分の意思で爪を出すことが出来ます。ネコ科の動物の中でもチーターは爪の出し入れをすることが出来ず、常に出ている状態です。これは、猫は獲物を待ち伏せして狩るため、爪を収納することで足音を立てず獲物に気づかれない様にするのに対し、チーターは自慢の脚力を生かして一気に獲物に追いつき捉える狩りの仕方をするためと言われています。

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猫の肉球について

猫の肉球について
猫の手の魅力と言ったら、やはり肉球でしょう。正式名称は「蹠球(しょきゅう)」と呼びます。この肉球はクッションの役目を果たしており、忍び足で獲物に静かに近づく時には足音を消し、得意なジャンプをする時には衝撃を吸収してくれます。肉球のあのぷにぷにした感触は脂肪です。

 肉球の名前

狼爪(ろうそう)

人間の親指にあたる指で、掌球(しょうきゅう)の横にある指です。基本的には後ろ足にはありません。

指球/趾球(どちらも読み方は「しきゅう」)

外側にある小さな肉球で、前足の方が「指球」で後ろ足が「趾球」と呼びます。

掌球(しょうきゅう)/足底球(そくていきゅう)

真ん中の大きな肉球で、前足が「掌球」で後ろ足が「足底球」と呼びます。

 肉球の構造

表皮層

一番外側は面と直接接する部分のため、角質層が厚くなっており「結胝組織(けっていそしき:足の裏に出来るタコのようなもの)」を形成しています。コラーゲン線維のうちタイプⅠと呼ばれるものが多く含まれていて、このタイプは強い引っ張り強度があり簡単に損傷を受けないような構造になっています。

真皮層

表皮層の下の真皮層には、表皮層と同じコラーゲン線維のタイプⅠが大部分を占め、真皮乳頭と呼ばれる突起構造が多く観察されます。この中には神経や血管がたくさんあり、地面から受け取った感覚や周辺組織への栄養補給を行っています。また、汗腺(エクリン腺)が通っており、表皮層を湿らせて滑り止めにする役割もあります。この汗腺から分泌された汗は、滑り止めの他にマーキングの匂い付けにも利用されています。

皮下組織層

この場所にはコラーゲン線維(タイプⅢ)で囲まれた小さな脂肪がたくさん観察されます。

 肉球の色

黒色

被毛の中に黒色が混じった猫に見られます。穏やかでフレンドリーな性格の猫が多いようです。
黒猫、サイアミーズ(シャム)、サビ猫、サバトラ・キジトラなど

ピンク色

被毛の中の白の割合が多い猫に見られます。白の被毛色は目立つため敵から狙われやすく、神経質で用心深い性格の子が多いと言われています。
白猫、アルビノ猫、バイカラー、ミケ猫など

あずき色

メラニン色素の濃度が中等度の時に現れます。人懐っこくて遊び好きな性格が多いようです。
グレー色など

まだら色

黒とピンクが入り混じったタイプです。気分屋できまぐれな性格の子が多いようです。
サビ猫、バイカラー(白が少なめ)、ミケ猫など

まとめ

いかがでしたでしょうか。猫の肉球のぷにぷには脂肪と言われるとちょっと複雑な気持ちになりますが、手を投げ出している姿を見るとどうしても触りたくなってしまいますよね。

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