猫の病気

猫の分離不安症

猫が大きなストレスや不安を抱えた時に元気がなくなったり異常な行動をとることがあり、分離不安症という病気の可能性があります。猫はどんな時に分離不安症になってしまうのでしょうか。この記事では、猫の分離不安症についてまとめました。

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目次

猫の分離不安症について

猫の分離不安症について

大好きな飼い主や仲間と離れ離れになった時に極度の不安に陥る症状は人間だけではなく猫にも見られ、ストレスが非常に強く病的な行動をとってしまうことがあり、それを「分離不安症」と呼びます。

もともと猫は自立心が強く単独行動を好むため、分離不安症は犬に使われることが多かったのですが、今は完全室内飼いが推奨され飼い主と一緒に過ごす時間が多くなったことで分離不安症になりやすい猫が増えているようです。

猫が分離不安症になった時の症状

猫が分離不安症になった時の症状
分離不安症の症状は大きく2つに分類することができます。

 攻撃型:不安が外に向く

興奮する

飛び回ったり走り回ったり、うろうろしたりして落ち着きが無くなる

攻撃的になる

唸る、噛みつく、引っ掻くなど攻撃的な行動をとる

異常行動をとる

飼い主の後をずっとついて行く、カーテンによじ登る、トイレを引っ掻きまわして砂を飛び散らかす、逃げようとドアを引っ掻く、テーブルや棚の上にある物を手当たり次第に落とすなど

排泄行為の異常が見られる

トイレ以外の場所で排泄をする、去勢済でもスプレー行為をする

普段と違う声で鳴く

大きな声で鳴いたり、過剰な声で鳴き続ける

 自己攻撃型:不安が自分に向く

自傷行為が見られる

過剰なグルーミング、自分の尻尾をかじる、毛をむしり取るなどの自傷行為をする

身体的異常が見られる

下痢や嘔吐する、震える、涎を垂らす、呼吸が荒くなるなどの異常が見られる

うつ状態が見られる

元気がなくなる、食欲がなくなる、怯えたような表情を見せる、部屋の隅や暗い場所で一人でいたがる

 よくわからない場合

一緒にいる場合は問題行動を確認することが出来ますが、外出時にはどのような行動を取っているのかわからないことがあります。

そんな時にはカメラなどのアイテムを利用して確認してみるのもいいかもしれません。

猫の分離不安症の原因

猫の分離不安症の原因

 母猫や兄弟猫によるしつけや愛情不足

生まれたばかりの子猫を拾った時や、ペットショップやブリーダーから入手した場合でも「社会化期」と呼ばれる時期に母猫や兄弟猫と引き離され、しつけや愛情を十分受けることが出来なかった猫は問題行動を起こすことがあります。

 飼い主に対して要求がある

猫があなたの方を見て鳴き続けたり、あなたの後をずっとついてくる行動には、あなたに満たして欲しい欲求があるからかもしれません。

 飼い主が外出しがちで寂しい・構って欲しい

猫の種類や性格にもよりますが寂しがり屋な猫は多く、猫の里親募集をしている団体では「1日8時間以上の外出をしない」ことを引き渡しの条件としている団体もあります。

 過去にトラウマの原因となる経験がある

保護猫団体などから引き取った猫の場合、前の飼い主から与えられた虐待や多頭飼い崩壊で酷い空腹や汚れた環境で生活をしたなどの経験がトラウマとなって、現在の優しい飼い主の姿が見えなくなると強い不安や恐怖を感じてしまうことがあります。

 高齢や病気

猫が年を取ったり病気になることで、普段自分の世話をしてくれる飼い主の姿が少し見えないだけでも不安を感じてしまうことがあります。

 普段から飼い主が構いすぎる

飼い主がいつも自分の側にいて、自分のして欲しいことをなんでもしてくれる状況に慣れた猫は、少しでも飼い主の姿が見えないと不安になりトイレやお風呂にまでついて行くことがあります。

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猫が分離不安症にならないための対策

猫が分離不安症にならないための対策

猫が分離不安症になった時の症状で、攻撃的になったり異常行動をとったり、トイレ以外の場所で排泄をするといった行動は、原因や対処方法がわからない飼い主が猫を捨ててしまう原因となりやすく、猫が分離不安症にならないために対策するのは大切なことです。

 ストレスの原因を把握する

猫がストレスを抱える原因になることがなかったかを考えてみましょう。

引っ越しや騒音など思い当たることがあった場合、なるべくそのストレスを取り除くように対処してあげましょう。

長時間の外出が多いのに全然構ってあげない場合、猫は飼い主に対する欲求が強くなり、飼い主が自分を見てくれるように問題行動を起こしているのかもしれません。

どうしても外出しなければならない時は猫が落ち着く場所を作ってあげ、そこに飼い主の匂いのついたものを一緒に置いてあげるなどの工夫をしてみましょう。

上手にお留守番できた時は、帰宅したらおやつなどのご褒美を与えることで「留守番=おやつが貰える」と猫に認識させることも対策の1つとされています。

 在宅時に構いすぎない

在宅時に猫にべったりで何でもしてあげていると、外出している時との違いが大きすぎて猫がより不安を感じやすくなる場合があります。

家にいる時でもずっとべったりせず、少し距離をとって過ごすことを心掛けてみましょう。

 不要な物は収納する

飼い主が外出時にテーブルや棚の上の物を落とす行為をする場合は、なるべく物を減らして猫がいたずら出来ないように収納するように心掛けましょう。

多頭飼いしている場合、問題の猫が高い場所の物を落として下にいる猫に怪我をさせる可能性があります。

問題行動が酷い場合は、大きめのゲージを用意して飼い主の外出時にはゲージの中で過ごしてもらうようにするのも1つの対策方法です。

 寝室を出入り不可にする

トイレ以外の場所で排泄する場合、7割以上が飼い主の布団やベットだと言われています。布団やベットに粗相された場合、掃除がとても大変になりますので寝室に入れなくするようにしましょう。

猫は頭がいいため、ドアを閉めただけでは開けてしまう子もいます。簡易のカギを設けるなど、猫が寝室のドアを開けられないようにする工夫も必要です。

また、飼い主の匂いがする布団やベットで排泄するのは、飼い主の気を引くための行動であることが多いため、怒鳴ったり叩いたりせず冷静に対応するように心掛けましょう。

 多頭飼いする

猫の寂しさを解消するために多頭飼いすることも1つの方法ではありますが、猫同士の相性が合えば問題行動が治まる可能性がある反面、相性が合わなかった場合はストレスが増えることになります。

引き合わせる場合はすぐに対面させず、最初は臭いから慣れさせるなど猫同士の様子を見ながら慎重に行いましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。猫の分離不安症にはさまざまな原因があります。飼い主が出来ることはなるべくするように心掛けましょう。

問題が解決できない場合、放置してしまうと症状が悪化することがありますので、行きつけの動物病院や猫を引き取った団体、ペットショップ、ブリーダーなどに相談するなどしてみましょう。

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