猫の知覚過敏症とは、突然鳴きだして異常な行動を取ったり、大人しい性格の子が攻撃的になったりする病気です。 今回は、猫の知覚過敏症についてまとめてみました。 |
猫の知覚過敏症について
「知覚過敏」と聞くと、冷たいものを食べると歯が染みるというCMのイメージがとても強いですが、猫の知覚過敏症(FHS=Feline Hyperesthesia Syndrome)とは突然走り回るなど異常な行動をとる病気で、1歳~4歳までの若年の猫に多く発症します。
猫が知覚過敏症になった時の症状
初期の症状では気づかない飼い主もいますが、よく観察すると普段やらないような行動を繰り返し行うことが多いようです。以前飼っていた猫が夜になると突然声を上げて走り回り、少ししたら普通に戻るという行動を何度も起こしていたことがありました。その時の年齢がかなり高齢(20年以上)だったため、認知症的なものかと当時は思っていましたが、今思い返すと知覚過敏症だったのかもしれません。気になる症状が現れた場合はすぐに動物病院に行きましょう。
背中から腰、尻尾の付け根部分の皮膚が痙攣する
気になる部分を毛が抜けるほど舐め続けたり噛む
触ろうとすると嫌がる
瞳孔を開いて一点を見つめる
自分の尻尾をずっと追いかけて噛みつく
急に鳴き続けて走り回る
大人しい性格の子が威嚇したり攻撃したりする
猫の知覚過敏症の原因
猫の知覚過敏症の原因は、基礎疾患などのはっきりした原因は少なく、検査をしても特定できない場合が多いようです。
基礎疾患
腫瘍や外傷により脳になんらかの異常があったり、背骨の変形や筋肉の異常などの疾患によって発症する可能性があります。また、アビシニアン、サイアミーズ(シャム)、バーミーズ、ヒマラヤンの系統の猫種では先天性疾患である可能性が高いと言われています。
ストレス
検査をしても異常が無い場合は、ストレスによるものが原因の可能性があります。
ノミ、寄生虫、感染症
ノミや寄生虫、感染症、アレルギーによって皮膚炎を発症し、必要以上にグルーミングすることがあります。
甲状腺機能亢進症
甲状腺ホルモンの分泌量が過剰になりバランスが乱れたことが原因の可能性があります。
栄養不足、過多
オメガ3脂肪酸欠乏症による皮膚炎、ビタミンAの過剰摂取、黄色脂肪症(青魚ばかりを食べ過ぎた場合に起こる症状)が原因の可能性があります。
猫が知覚過敏症にならないための対策
ストレスの軽減
猫のストレスの原因を把握し、嫌がることはしないようにする、外出しがちな飼い主の場合は時間のある時にたくさん遊んであげる、トイレを清潔に保つことなどを心掛けましょう。
ノミや寄生虫の駆除
ノミや寄生虫などによる皮膚炎が原因の場合は、定期的に駆除剤などを使用し予防しましょう。
栄養バランスの良いフードを与える
栄養不足や過多が原因の場合は、獣医師に相談の上、それを補ったり取りすぎないようなフードを与えるようにしましょう。
猫の知覚過敏症の治療
治療については、症状や動物病院によって様々です。
原因がはっきりしないものが多く、猫が異常な行動をしている時の動画を撮って病院に行くことをお勧めします。
詳しくはかかりつけの動物病院でご確認をお願いいたします。
基礎疾患が原因の場合
基礎疾患が原因の場合は、その病気の治療を優先的に行います。
対症療法
症状が重い場合やてんかん発作など脳の異常が疑われる場合は、抗てんかん薬や抗うつ薬などを服用するなどの投薬治療をします。
食事療法
栄養バランスが原因の場合は、症状にあったフードを与えたり、サプリメントや漢方薬などで過不足を補います。
まとめ
猫の知覚過敏症は原因がわからなく、完治したと思っても再び異常な行動を繰り返すことが多いようです。愛猫をよく観察し、ストレスやフードなど飼い主が対応出来そうなものは改善し、獣医師に相談の上、上手く病気と付き合っていくことを心掛けましょう。