猫の病気

猫の緑内障

猫の目 猫の緑内障は、眼球の内圧が高くなることで網膜や視神経が圧迫され視覚障害を起こす病気です。
今回は、猫の緑内障についてまとめてみました。
目次

猫の緑内障について

視覚を保つために眼球の内圧(眼圧)は15~25mmHg必要です。猫の眼球の中は、「房水(ぼうすい)」と呼ばれる液体が循環しています。房水は毛様体と呼ばれる部分で作られ、眼球の前方に向かって流れ、虹彩の基部である隅角(ぐうかく)と呼ばれる部位にある櫛状靭帯(くしじょうじんたい)から吸収されます。何らかの原因でこの流れが悪くなると房水が眼球内部に溜まり眼圧が上昇します。眼圧が上昇すると眼球の後方にある網膜や視神経を圧迫し視覚に影響を与えます。眼圧が31mmHg以上になると緑内障と診断されます。緑内障は下記のように分類されます。

 原発性緑内障

猫にはあまりみられませんが、先天的の要因で発症する緑内障です。

 続発性緑内障

他の病気が原因となって二次的に発症する緑内障です。

 急性緑内障

急性的に発症する緑内障です。眼圧が40~60mmHgと異常に高くなり痛みを伴います。この状態が2、3日続くと失明してしまいます。

 慢性緑内障

急性に比べて、眼圧が30~40mmHgほどで穏やかに進行する緑内障です。症状がほとんどなく、深刻な状態になるまで気づかないこともあります。

 閉塞隅角(へいそくぐうかく)緑内障

隅角が狭く閉塞していることで房水がうまく吸収できずに眼圧が上昇する緑内障です。

 開放隅角緑内障

隅角は閉塞していませんが、その先にある線維柱帯やシュレム管などの吸収部位の障害でうまく房水を吸収できずに眼圧が上昇する緑内障です。初期の眼圧の上昇はそれほどでもありませんが、悪化すると徐々に上昇していき閉塞隅角緑内障になります。

猫が緑内障になった時の症状

猫の緑内障の症状は、進行するに伴って角膜炎や結膜炎、白内障を発症することもあります。また、緑内障が悪化すると失明する可能性があります。下記のような症状が見られた場合、すぐに動物病院に行きましょう。

 目をしょぼつかせる、目を頻繁にこする、流涙が多い

目の痛みのため目を瞬いたり、気にして擦ったりいつもより涙を多く流します。飼い主が触ろうとしても嫌がったりするようになります。

 目が充血する、視野が狭くなる

眼内出血などを起こして視野が狭くなると、柱や壁にぶつかったり段差につまずいたりするようになります。

 散瞳、目の色が変わって見える

瞳孔が常に開いた状態になり(散瞳)光をまぶしがるようになったり、角膜に浮腫(ふしゅ:むくみ)が生じて目が灰色や青色に見えることがあります。

 眼球突出(牛眼)

眼圧が高くなると眼球が次第に大きくなり、角膜に内側からひびが入ったように見えたり、目の奥が異様に光って見えることがあります。目を閉じることが出来なくなるほど眼圧が上昇すると、牛眼という目が飛び出してしまう症状が見られます。瞼を閉じることが出来ないと目が乾いてしまい角膜炎などを引き起こす場合もあります。

 食欲不振、嘔吐

目の強い痛みのせいで、元気や食欲がなくなり、嘔吐することがあります。

関連記事

猫の緑内障の原因

 先天性のもの

原発性緑内障の原因となりますが、猫においては稀で好発種などもありません。先天的に虹彩の基部である隅角に異常があって房水が吸収できず突発的に発症します。片目が原発性緑内障になった場合は、50%の確率で半年ほどでもう片方の目も緑内障を発症します。

 基礎疾患

続発性緑内障の原因となるのが、猫の猫伝染性腹膜炎(FIP)、猫白血病ウイルス感染症、トキソプラズマ症、ブドウ膜炎など他の病気になったことで二次的に発症します。猫の緑内障のほとんどがこのタイプです。

猫が緑内障にならないための対策

 早期治療

緑内障を予防することは難しいです。しかし、日頃から猫の様子を観察し緑内障と疑われる症状が現れた時に早期発見、早期治療をすることで失明のリスクを下げることが出来ます。

 室内環境を整える

完全室内飼いにして、原因となる病気をうつされたり、喧嘩で目に外傷を負わないようにしましょう。また、多頭飼いで相性の悪い猫がいる場合は、お互いが会わないような環境を作ってあげましょう。

猫の緑内障の治療

治療については、症状や動物病院によって様々です。
詳しくはかかりつけの動物病院でご確認をお願いいたします。

 基礎疾患の治療

猫の猫伝染性腹膜炎(FIP)、猫白血病ウイルス感染症、トキソプラズマ症、ブドウ膜炎などが原因の場合は、優先的に治療を行います。

 内科療法

視力があるうちは眼圧を下げることを目的に内服薬や点眼投与を行います。

 外科療法

内科療法で改善が見込まれない場合は、房水を別の部位に排出させたり、房水の産生量を減少させるなどの外科手術が行われます。
すでに視力が失われている場合は、痛みを抑えるために眼球を摘出しシリコン製の義眼を挿入する手術をする場合もあります。

まとめ

猫の緑内障は、急性の場合は数日で視力を失ってしまう怖い病気です。慢性の場合も悪化すると愛猫に大変な痛みと体力的負担を強いることになります。定期健診の時に眼圧測定も実施し、早期発見早期治療を心がけるようにしましょう。

© 2021 ねこ日和