猫の病気

猫の難聴

オッドアイの白猫 猫の聴力は五感の中で最も優れています。
ですが、難聴の場合は名前を呼ばれたり近くで音がしても反応しなくなります。
今回は、猫の難聴についてまとめてみました。
目次

猫が難聴になった時の症状

猫の聴覚は人間の3倍程の高音域まで聞こえていると言われていますが、難聴の場合は名前を呼ばれたり近くで音がしても反応しなくなります。
ただし、性格によっては名前を呼ばれても無視する子もいますし、高齢の為聞こえづらくなっていることもあります。

 頭を壁にこすりつける・耳の後ろを掻く

このような行為が多くなった場合、外耳炎になっている可能性があります。
猫は外耳炎になるとかゆみが出るため、頭を壁にこすりつけたり、耳の後ろを足で掻いたりします。

 においのある耳だれが出る・呼吸がしにくくなる

このような症状がある場合、中耳炎になっていたり、炎症性ポリープが出来ている可能性があります。
症状が悪化すると真珠腫性中耳炎(しんじゅしゅせいちゅうじえん)になり痛みのため触られるのを嫌がったり、においのある耳だれが出るようになります。
また、炎症性ポリープは外耳道や鼻咽頭に向かって大きくなるため、呼吸がしにくいという症状も現れます。

 食欲低下・嘔吐・眼球振盪・捻転斜頸

このような症状がある場合、内耳炎の可能性があります。
大脳に音の信号を伝える器官の神経に影響が出ているため吐いたり、眼球が無意識に揺れてしまう眼球振盪(がんきゅうしんとう)や首が捻じれて傾いてしまう捻転斜頸(ねんてんしゃけい)といった症状が出ます。

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猫の難聴の原因

 生まれつき

生まれつきの難聴は、被毛を白くする「ホワイト遺伝子」が関係していると言われています。
猫の耳には音を増幅するためのコルチ器という器官があります。
「ホワイト遺伝子」が色素細胞であるメラノサイトを抑制することにより、同じ細胞から成長するコルチ器がうまく作られなくなり生まれつき難聴になると言われています。
メラノサイトはメラニン色素を生成する働きがあるため、メラノサイトが抑制されることはメラニン色素の生成も抑制されるということになります。
「ホワイト遺伝子」は遺伝子の中で最も優先順位が高く、この遺伝子を持つと他の遺伝子に関係なく被毛が白くなります。
そのため、「ホワイト遺伝子」を持つ白猫でメラニン色素が少ない青目の猫が生まれつき難聴になりやすいと考えられています。
白猫でオッドアイの場合、どちらかの目が青い目をしていることが多く、青い目の方の耳のみが難聴であるとも言われていますが、「ホワイト遺伝子」とは別の遺伝子を持つ白猫もいるため、白猫で青い目の猫がすべて難聴というわけではありません。
障害が出る確率は、両目とも青目の時は50~80%、オッドアイの時は20~40%、青目ではない時は20%ほどと言われています。

 外耳炎・中耳炎・内耳炎

外耳炎

耳ダニの寄生、シャンプーや水の混入、菌の感染、誤った耳掃除で傷つきその傷に細菌が感染することによって起こります。
炎症を放置すると皮膚が厚くなり、外耳道が塞がれることによって音が聞こえづらくなります。

中耳炎

滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)

外耳炎の炎症が中耳まで広がった際に起こります。
中耳に液体が溜まるため傷を治すために粘膜から滲出液を出すことで耳が聞こえにくくなります。

真珠腫性中耳炎(しんじゅしゅせいちゅうじえん)

滲出性中耳炎が慢性化することで起こります。
真珠腫は中耳の耳小骨に影響を与えるため、音を増幅する役割のある耳小骨が影響を受けると耳の聞こえが悪くなりますかんt

内耳炎

外耳炎や中耳炎を放置した際に発症することが多いです。
炎症が広がり蝸牛(かぎゅう)神経という大脳に音を伝える神経に影響を与えてしまうと音を認識することが困難になり難聴になります。

 耳垢栓塞(じこうせんそく)

誤った耳掃除により、耳垢を押し込んでしまうことで外耳道を塞ぎ音が聞き取りづらくなります。

 鼻咽頭ポリープ

中耳の鼓室や耳管から発生する良性の腫瘍で子猫などに多く見られます。
ポリープは鼓膜を破って外に成長し外耳道を塞ぐことで音が聞こえにくくなります。
また、鼓膜が破れることで外耳道の細菌が中耳に入り炎症を起こして中耳炎になります。

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猫が難聴かどうかを確認する方法

 行動によって反応を確認する

名前を呼んだり耳の近くで音を出すことで反応を見ます。
ただし、性格によっては名前を呼んでも無視する子もいますし、音の出し方によって聴覚以外の感覚で感知し反応する場合もあります。

 脳の電気反応を見る

BAER聴性脳幹誘発反応検査で脳の電気反応を見て確認します。
ABR検査とも呼ばれます。
検査装置は、人の医療機関で乳幼児の聴覚検査や脳幹障害診断などに使われているものと同様のもので、5ヶ月くらいから検査が可能です。
検査は15分ほどで終わりますが、血液検査や鎮静剤もしくは麻酔などを行います。
詳しくはかかりつけの病院でご確認をお願いします。

猫が難聴とわかったら

 生まれつきの場合

生まれつきの難聴の場合は、猫は慣れと他の感覚をうまく使ってカバーするため日常生活は普通に出来ます。
室内にいる場合はリスクが少ないですが、不慣れな場所では耳が聞こえない分予期せぬ事態にパニックになって走り回り事故に遭ってしまうなどリスクが高くなります。
完全室内飼いにし、外に出てしまわない様普段から戸締りに気をつけるようにしましょう。

 病気や怪我が原因の場合

病気や怪我が原因の場合は、その原因である病気や怪我を早期に治療することが必要です。
外耳炎は治療を怠ってしまうと、中耳炎、内耳炎と症状がどんどん悪化してしまい愛猫に大きな負担とストレスを与えてしまいます。
普段やらない行動をしていることに気が付いたら出来るだけ早く動物病院に連れて行ってあげましょう。

まとめ

生まれつき難聴になる確率が高い白猫でも「ホワイト遺伝子」を持たない子もおり、すべての白猫が難聴というわけではありません。
また、普通に生活する分にはそれほど影響を与えません。
耳の辺りをしきりに掻いたり、頭を壁などに擦り付ける様な行動が頻繁に見られた場合はすぐに動物病院に連れて行ってあげてください。
病気を早期に治療することで重篤な症状にならずに済み、愛猫と長く過ごせることに繋がります。

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