爪切りが好きな猫というのは、あまり聞いたことがありません。
ほとんどの飼い主さんは、猫が嫌がって暴れるので大変と感じるのではないでしょうか。
この記事では、猫の爪の構造や爪の切り方について紹介しています。
猫の爪の構造
猫の爪は見た目にはピンクの部分と白い部分しかわからないですが、実は玉ねぎのように何層にも重なっていて古くなった爪は脱皮するように剥がれます。
ピンク色の部分はクイックと呼ばれ、ここには神経や血管が通っているため爪を切る時はクイックより外側の白い部分のみ切ります。
クイックの血管は爪の長さに合わせて成長するため、爪切りの時に爪のほんの先端部分しか切らない場合は血管が成長して爪が大きくなると言われています。
猫の前足は獲物を捕らえる重要な役割を果たすため、生え変わりが早く猫はいつも鋭い状態を保とうとします。
猫が爪とぎをするのは主に前足で、後ろ足は立ったりジャンプ前に踏ん張る時に使いますが、爪に関しては前足に比べると大きな役割を持たないため伸びるスピードが遅いと言われています。
猫が爪とぎをする理由
・古くなった爪を剥がすため
古くなった爪はボロボロになって割れてしまうため、猫はそれを爪とぎをしたり噛んだりして剥がします。
猫にとって爪は獲物を取ったり自分の身を守るために必要なので、いつでも新しくて鋭い爪にしようとします。
古い爪を剥がさない場合、伸びた爪が巻き爪になって怪我をしてしまうこともあります。
猫の爪が落ちていたら「怪我をした」と驚くかもしれませんが、出血していなければ普通のことなので問題ありません。
・マーキング
猫の肉球には匂いを放つ臭腺(しゅうせん)があるため、爪とぎをすることでその匂いをつけて縄張りを主張します。
・構って欲しいため
飼い主の関心を惹くために、大きな音を立てて爪とぎをすることもあります。
・気分転換
ストレスを感じた時や興奮した気持ちを落ち着かせる時など、気分転換に爪とぎをする場合があります。
猫の爪切りの必要性
爪とぎは主に古い爪を剥がして新しくて鋭い爪を出すために行うので、爪とぎをしているから爪切りをしなくて良いというわけではありません。
爪切りは、以下のような理由から愛猫のケアとして必ず定期的に行うようにしましょう。
巻き爪の予防
老猫で爪とぎをあまりしない猫や飼い主が定期的に爪切りをしない場合、古い爪が剥がれ落ちずに内側に向かって成長して巻き爪になってしまい、肉球を傷つけてしまうことがあります。
肉球にはたくさんの血管や神経が通っており、傷ついた場合は出血してしまいます。
巻き爪は古い爪が残っている分通常の爪より厚い層になって重なっているため、飼い主が切る場合は少しずつ切ってあげるようにしましょう。
深く肉球に突き刺さっている状態の場合は、肉球から出血する可能性が高いため動物病院で切ってもらった方が安全です。
病気の予防
爪が伸びていると家具やカーペット、カーテンなどに爪がひっかかり根元から爪が折れて出血してしまうことがあります。
傷口から細菌が入ってしまうと、いろいろな病気を引き起こしてしまう可能性があります。
猫が爪をといだり噛んだりして自然に剥がれた場合は出血しません。
出血が少なく猫が痛がっていない場合は、ぬるま湯で傷口を洗って爪の状態を確認し血が止まって普通に歩けるようであればそのままでも問題なさそうですが、歩き方がおかしかったり痛がっていたり、血が止まらない場合はすぐに動物病院に行きましょう。
飼い主や猫自身の怪我の予防
猫の爪が鋭くなっていると、飼い主と遊んでいる時や猫が自分で耳や頭を掻いた時に傷つけてしまう可能性があります。
飼い主も猫自身もその傷口から細菌が入ってしまうと、みみず腫れになってしまったり皮膚炎になることもあるため、定期的に爪を切るようにしましょう。
猫の爪の切り方
猫の爪切りは、生後1ヶ月を過ぎた頃から始めましょう。
仔猫のうちから爪を切ることに慣れさせておくと、性格にもよりますが成猫になっても嫌がらなくなることが多いようです。
爪を切るタイミングは、上手く爪の出し入れができず伸びるスピードが早い仔猫では1~2週間に1度くらい、成猫では3~4週間に1度くらいが目安ですが、個体差や前足と後足とでは伸びるスピードが違うため、こまめにチェックして鋭くなっているなと感じたら切ってあげましょう。
動物病院でしてもらう場合は500~1000円くらいが平均ですが、病院によっては診察時や健康診断の時にサービスで切ってくれるところもありますので、詳しくはかかりつけの動物病院でご確認ください。
ここでは、飼い主が爪切りを行う手順について紹介します。
人の爪は平坦ですが猫の爪は立体的で何層にもなっている構造のため、人用の爪切りで切ると爪が割れたりするのでおすすめしません。
仔猫で爪が柔らかいうちはハサミタイプ、成猫はギロチンタイプの爪切りが扱いやすくておすすめです。
猫の正面から切るよりは後ろから飼い主が抱きかかえるようにして、できるだけ時間をかけずに切ってあげるのが望ましいです。
暴れる猫には2人がかりで行ったり、タオルや洗濯ネットなどを掛けて猫が爪を切るのを見えないようにしたり、寝ている間に行う方法も有効です。
猫の手を優しく上下から挟むように押すと爪が出てきます。
外側の小指から順番に切っていきます。
前足の親指は他の指より上の方にあるため、忘れずに切ってあげましょう。
猫種によって多指の猫もいますが、基本的には前足の指は5本で、後ろ足は4本です。
ピンク色のクイックの部分には血管が通っているため、その部分から少なくても3mm以上は離れた外側の位置で爪を切ります。
クイックがどこまでかはっきりしない場合は、余裕を持って白い部分だけ素早く切ってあげて下さい。
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まとめ
この記事では、猫の爪の構造と切り方について紹介しました。
猫の爪のクイックの部分を誤って切ってしまうと、強い痛みと出血があるため猫が爪切りを拒絶するようになってしまいます。
一度にたくさん切ろうとせずに爪切りの間隔を短くして少しずつ切るようにしたり、普段から手や足先を触ることに慣れさせて、飼い主が触っても嫌がらなくなる工夫をしておきましょう。