実際に猫を飼っている方は、猫が様々な鳴き声を出すことをご存じだと思いますが、鳴き方によってどんな意味があるのかをご存じですか?
この記事では、猫がどんな時に鳴くのかや鳴き声の種類とその時の気持ちについて紹介しています。
猫はどうして鳴くのか
野生の猫や野良猫は、鳴くことで敵に自分の居場所を知られて襲われないようにするため、あまり鳴かないと言われています。
また、猫同士はお互いの臭いを嗅ぐことで様々な情報を交換し合っているため、鳴かなくてもコミュニケーションが成立するとも言われています。
では、なぜ猫は鳴くのでしょうか。
保護猫で最初の頃は全然鳴かなかったのに、徐々に鳴くようになったという話を聞くことがあります。
ご飯の用意などをしている時に、気が付いたら冷蔵庫の上から猫がこちらを見ていたなんてことはありませんか?
猫はいつも寝ているように見えても、実は飼い主の行動をよく見ています。
私達は、言葉を話すことでコミュニケーションをとるため、猫に対してもよく話しかけたりします。
猫は、一緒に生活していく中で私達が声を出すことで意思疎通をしていることを知り、鳴くことで自分の要求を満たしてくれることを学習しているのです。
猫は鳴き声だけでななく、耳や尻尾、仕草などでも感情を表し、「この人では自分の要求を満たしてくれない」と感じ取ると、普段甘えることの無い人に甘えて要求を叶えようとすることがあります。
普段甘えてこない猫が、こちらを見て可愛らしい仕草や鳴き声をしてきたら、大抵の人は猫の要求に応えてしまうでしょう。
猫を飼っているつもりの私達は、実は猫の都合のいいように飼わされているのかもしれません、恐るべし、猫様。
猫はどんな時に鳴くの?
何かを要求する時
幼い頃から飼い猫として暮らし、飼い主がお世話をしてあげている環境に育った猫は、鳴くことでいろいろな要求をしてきます。
- ご飯が欲しい
- 遊んで欲しい
- ドアを開けて欲しい
- トイレが汚い
- 暑い(寒い)
上記したように、猫が要求することは様々です。
ご飯の時間になってもお皿に何も入っていない時や、トイレが汚いのに掃除をしていない時は要求を聞いてあげましょう。
しかし、鳴くからといって食べたいだけご飯やおやつを与えるなど、結果的に猫にとって良くないことはたまに聞いてあげる程度にしましょう。
猫は頭が良く学習するため、鳴けばなんでも要求を叶えてくれることを覚えてしまうと、要求がエスカレートしていく可能性があります。
ストレスを感じる時
猫はストレスを感じやすい動物と言われています。
それほど鳴かなかった猫がある時期からよく鳴くようになった場合は、以下のようなことがないか確認してみましょう。
- 飼い主が忙しくて全然構ってあげない
- 家具の配置が変わった
- 引っ越しをした
- 新しい猫が増えた
ストレスの原因が見つかったら、可能な限りその原因を取り除いてあげましょう。
怒っている時
普段は大人しくても、怒っている時によく鳴くようになる猫がいます。
普段乗ることが無い車に乗せられてどこかへ連れて行かれようとしている時や、敵と認識しているものが自分の方に近づいてきた時など、不安・不快・危険を感じて鳴きます。
猫が怒っている原因が分かった場合は、可能な限りその原因を取り除いてあげましょう。
発情期の時
発情期の猫は、かなり大きく響く声で鳴きます。
特にマンションで猫を飼っている飼い主さんは、近所迷惑になるため仔猫を生ませる予定がない場合は時期がきたら早めに避妊手術や去勢手術をしてしまいましょう。
猫の発情期については、こちらの記事で紹介しています。
病気の時
上記のことが当てはまらない場合、怪我や体調不良を訴えているかもしれません。
トイレの状態や飲食の摂取状況、猫の行動などを観察しておかしいと感じた時には病院に連れて行ってあげましょう。
猫の鳴き声とその時の気持ち
鳴き声の種類
ニャー、ニャーン
私達が良く聞く鳴き声ですが、猫同士ではこのような声は出しません。
この鳴き方は人に対して何かを要求する時に発すると言われています。
- お腹が空いた時
- ドアを開けて欲しい時
- 構って欲しい時
- トイレを掃除して欲しい時、など
ニャッ、ミャッ
短く「ニャッ」という鳴き声は、返事や挨拶を意味すると言われています。
また、捕まえたいけれど捕まえられないようなもどかしい気持ちの時に出すとも言われています。
室内にいて庭に来た小鳥や野良猫を見た猫がこのように鳴くことがあります。
クルル
少し変わった鳴き声ですが、「クルル」という鳴き声は甘えている時に出すようです。
もともとは、仔猫が母猫を呼ぶ時に使う鳴き声なので、あなたに対して猫がこのように鳴いた時はあなたを母猫と同じ様に感じ甘えていると思っていいでしょう。
ニャーーオ、ニャーーン
人に対して何かを要求する時よりも、長い鳴き声を出す時は不安だったり不満があるようです。
飼い主が外出してしまって、不安な気持ちになった猫がこのような鳴き声を出すことがあります。
声のトーンが上がってくると不機嫌度が増してくるため、あなたを見て長めの声を出している時は、猫が何に対して不満を持っているのか確認し対処するようにしてあげましょう。
カカカ、ケケケ
少し変わった鳴き声のため、聞いたことが無い方もいるかもしれません。
このような声は「クラッキング」と呼ばれ、獲物を狙っている時や興味があるものを見ている時に発すると言われています。
シャーッ、フーッ
猫同士が喧嘩をしている時や、猫がまだ飼い主に慣れていない時、猫が不機嫌なのに飼い主が無理に触ろうとする時などによく耳にする鳴き声です。
「こっちに来ないで」「触らないで」と威嚇している時の鳴き声ですので、あなたが構いすぎてこのような声を出された時にはそっとしておいてあげましょう。
構わずに触っていると、引っ掻かれたり噛まれたりといった攻撃をされてしまいますよ。
よく鳴く猫と鳴かない猫の違い
性格や年齢
一般的に大型の猫はのんびりと過ごすことが多く、あまり鳴かない子が多いようです。
また、性格によっては鳴かずに飼い主をじっと見つめることで要求を訴える子もいます。
年齢によって鳴かなくなった子が、何かの原因でよく鳴くようになる場合もあります。
老猫の場合は、痴呆症(ちほうしょう)が原因の可能性もあります。
品種
猫の種類によって、よく鳴くと言われる猫とあまり鳴かないと言われる猫がいます。
あくまでも一般的なもののため、性格や環境によって当てはまらない場合もあります。
よく鳴くと言われる猫
サイアミーズ(シャム)、サイベリアン、ベンガルなど
あまり鳴かないと言われる猫
アビシニアン、エキゾチックショートヘア、ヒマラヤン、ペルシャ、ロシアンブルーなど
環境
1匹だけで飼われている猫は要求が通りやすく、飼い主のお世話が行き届いているためあまり鳴かず、多頭飼いの場合は自分の要求を通すためによく鳴くと言われています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
猫の鳴き方によって、その時の猫の気持ちがどのようなものであるのかがわかると、猫との信頼関係が築きやすくなります。
本来ならば鳴く必要のない猫が、鳴くことによって私達とコミュニケーションを取ろうとしていると考えると、さらに愛情深い存在に思えてきますね。