猫の病気

仔猫の時にかかりやすい病気について

生まれてから1年間くらいの仔猫は、免疫力や体力が無くいろいろな病気にかかりやすいです。

同じ原因でも成猫であれば症状が出ないのに、仔猫の場合は重篤な症状が現れることもあります。

この記事では、仔猫の時にかかりやすい病気について紹介していきます。

目次

仔猫の時にかかりやすい感染症

ウイルスによる感染症

仔猫は細菌やウイルスに対する抵抗力が弱いため、感染症にかかりやすく重症化しやすいです。

ウイルスによる感染症は感染力がとても強く、1度感染してしまうと症状が治まったように見えても生涯ウイルスを保有するキャリア猫となり、なんらかの原因で免疫力が落ちた時に発症するリスクをともないます。

体力や免疫力の無い仔猫の場合は死に至ることもあります。

すでに家で飼っている猫がいる場合は感染が広がる可能性があるため、健康診断を受け感染の心配が無くなるまでは他の猫が自由に出入りできないような部屋などに隔離し絶対に一緒にしてはいけません。

猫汎白血球減少症(猫パルボウイルス感染症)

発症すると白血球の減少、食欲不振、発熱、嘔吐、下痢などの症状が現れます。

感染したウイルスは細胞分裂が行われる骨髄やリンパ節などで増殖し、白血球が極端に少なくなることで細菌や他のウイルスに対する抵抗力が弱くなり、合併症などの症状を引き起こしやすくなります。

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ウイルス性鼻気管炎(猫ヘルペス)

発症すると、流涙、目ヤニ、角膜炎、口内炎、くしゃみ、せき、発熱、食欲低下など、主に体温の低い目、鼻、口などに症状が現れます。

猫カリシウイルス感染症と混合感染することが多く、併発した場合は「ウイルス性呼吸器感染症」と呼びます。

感染症
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カリシウイルス感染症

発症すると口腔内に潰瘍や水泡ができ、咳、発熱、口臭、食欲低下、目ヤニ、結膜炎、くしゃみ、鼻水などの症状が現れます。

生後6~10週くらいの仔猫がかかりやすい感染症です。

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寄生虫による感染症

野良の仔猫であればほとんどの子が感染しているのが寄生虫による感染症です。

寄生虫は、ノミやマダニなど身体の表面に寄生する外部寄生虫と、回虫や条虫など身体の消化器官内に寄生する内部寄生虫がいます。

成猫であれば特に目立った症状を起こさないこともありますが、仔猫の場合は大量のノミに寄生されて貧血をおこしたり、回虫の寄生で血便や下痢の症状が出る場合があります。

真菌(カビ)による感染症

免疫力が弱い仔猫は、皮膚に真菌(カビ)が感染して皮膚炎を起こしやすいです。

感染猫との接触で感染することが多く、感染すると脱毛してかさぶたやフケが見られます。

痒みが出ることもあるので同じ個所を何度も掻く動作が見られた場合は、注意して皮膚の状態を確認してください。

人にも感染して皮膚炎を起こすケースもあるため、手洗いを徹底し衛生的な環境を作るように心掛けましょう。

治療は主に抗真菌薬の投与を行い、症状が改善するまでには1ヶ月以上かかることが多いようです。

仔猫の時にかかりやすい全身疾患

脱水・低血糖

仔猫は母猫の母乳によって水分や栄養を取るため、あまり授乳していない仔猫がいれば授乳しやすい位置に仔猫を運んであげたり、母猫が与えない場合は人工的に飼い主が授乳する必要があります。

また、脱水は水分が出る量が増えることでも起こるため、下痢の症状が続くようであれば動物病院に連れて行ってあげましょう。

仔猫のうちは常に糖分を補充し続ける必要があります。

3~4時間母乳を飲まないと低血糖を起こしてぐったりしたり痙攣を起こすケースもあるため、仔猫の様子は常に観察しおかしいと思った場合はすぐに動物病院に連れて行ってあげましょう。

低体温症

仔猫のうちは一定の体温を保つことが難しく、寒い環境にいる場合低体温症になることがあります。

ペットボトルにお湯を入れたものを仔猫がいる箱などにいくつか用意して、低体温症にならないように暖かくしてあげましょう。

先天性疾患

遺伝や奇形などが原因で、仔猫が先天性疾患を持って生まれてくることがあります。

脳や心臓、肝臓など体内の疾患はすぐにはわかりにくいですが、口蓋裂(こうがいれつ)や手足の奇形といった外部に現われるものもあります。

口蓋裂は口の中の上蓋の部分が左右に分かれたままになっている病気です。

口の中と鼻の穴がつながっているため、授乳しても母乳が鼻から出てしまったり気管から肺に流れて誤嚥を起こし、咳や呼吸困難の症状が続き死に至る場合もあります。

手足が異常に外側を向いているなどの奇形の場合、成長とともに正常に戻ることもあるようです。

仔猫が病気にならないための予防策

仔猫のこんな症状に注意しよう

仔猫は体力も免疫力もないため病気にかかりやすく、症状が重症化しやすいです。

仔猫の様子を見ていていつもと違うと感じた場合は、すぐに動物病院に連れて行ってあげましょう。

また、仔猫を拾って飼うと決めた場合は、元気にしていても必ず健康診断を受けるようにしましょう。

仔猫の様子を見るポイントをいくつか紹介します。

目ヤニが出ていたり目をしょぼしょぼさせている場合、結膜炎や角膜炎などの外傷だけではなく、感染症を患っている可能性があります。

片目だけに目ヤニが出ている場合は異物の混入や外傷の可能性が高く、両目に出ている場合は感染症の疑いがあります。

くしゃみ、鼻水、発熱

感染症にかかったりアレルギー症状が出るとくしゃみや鼻水の症状が現れます。

猫の平熱は人より2~3度高めですが、体温が低めの手足の先や耳が熱っぽく、元気がない様子であれば動物病院に連れて行ってあげましょう。

嘔吐

猫が嘔吐する原因はいろいろあります。

毛玉を吐き出すために嘔吐した場合、嘔吐してもその後いつもと様子が変わらなければ問題ありません。

ずっと元気がなかったり、食欲が無くなったりした場合は、異物誤飲やストレス、感染症の症状かもしれませんので、動物病院に連れて行ってあげましょう。

下痢

猫が下痢をする原因には、食べ物が原因の消化不良だったり、異物誤飲、ストレス、感染症などいろいろあります。

一時的なもので、その後元気があり食欲もあるようであればそのまましばらく様子を見ておきましょう。

下痢が2、3回続く場合は、仔猫の場合脱水症状を起こす可能性があるため、動物病院に連れて行ってあげましょう。

呼吸が荒い

仔猫は成猫よりも呼吸が速いですが、あきらかに呼吸が荒い場合は呼吸器系の病気の可能性があります。

脱水症状や熱中症の場合でも呼吸は荒くなります。

定期健診

猫を飼う場合必ず動物病院に連れて行き、健康診断、ワクチン接種、寄生虫の駆除を行ってください。

仔猫のうちは特に免疫力や体力がないため、たいした症状ではないと思っても急変して取り返しがつかないことになる可能性があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

仔猫は体力が免疫力がないため、体調が変わりやすく重篤な症状になりやすいです。

特に野良猫であればウイルスや寄生虫にほぼ感染していることが多いです。

仔猫がいる場合は日頃からマメに様子を観察して、おかしいと思ったらすぐに動物病院に連れて行ってあげて下さいね。

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