猫を飼ったことがある人は、猫の舌がザラザラしているのをご存じかと思います。 では、どうしてザラザラしているのでしょうか。今回は、猫の舌についてまとめてみました。 |
猫の舌のザラザラの役割
猫の舌には糸状乳頭(しじょうにゅうとう)という突起がびっしりと生えていて、これが舐められたときにザラザラと感じるものです。
この糸状乳頭は生まれたての時には生えていませんが、離乳食を食べだす頃から徐々に生えてきます。
グルーミングのためのブラシの役割
猫はグルーミングによって、このザラザラの舌に埃や抜け毛を絡ませます。 猫がシャンプーをしなくても綺麗なのはこのためですが、あまりにもたくさんのゴミや抜け毛を体内に取り込んでしまうと病気の原因になってしまうため、定期的にブラッシングをすることをお勧めします。 「猫じゃすり」は、猫のこのザラザラの舌を模したアイテムです。 |
食べたものが落ちない役割
糸状乳頭は全体的に喉の奥に向かって傾いています。 狩りが必要な場合は、このザラザラを使って骨から肉をそぎ落としていましたが、飼い猫は狩りをする必要がないため食べたご飯がこぼれ落ちない役割をしています。 猫がご飯を食べた後のお皿はとても綺麗ですが、このザラザラの舌のおかげなのです。 |
水を飲みやすくする役割
猫は、舌の裏側を使って水を飲みます。 水を飲む時舌の先を曲げたまま水面に少しだけ付けます。 勢いをつけて舌を戻すと舌に水が付いて水柱ができ、そのまま口を閉じるのを繰り返すことで猫は水が飲むことが出来ます。 この動きは個体によりますが、1秒間に3,4回ほど繰り返すようです。 この時、舌のザラザラは水が付きやすくする役割をしています。 |
猫の味覚
甘味
猫は甘味を感じることはできません。
甘味とは「糖類」、「糖アルコール」、一部の「アミノ酸」、一部の「ペプチド」などから感じる味覚です。
アメリカの研究所の調査チームの研究において、「猫の舌には甘味を感じる受容器が存在していない」と判明されたようです。
酸味
猫の舌で一番感じることが出来ると言われています。
人間が「酸っぱい」と感じる酸味ではなく、リン酸、カルボン酸から感じる肉の旨味成分です。
猫の舌の広範囲でこの味覚を感じることが出来ますが、特に舌の先で感じることが出来るようです。
キャットフードにはこの味覚を味わえる酸味料がよく使われているようです。
苦味
猫の舌で次に感じることが出来ると言われています。
食べ物が腐っていないかを感じることが出来る味覚です。
猫には12種類もの苦味を感じることが出来ると言われ、新鮮な物とそうでもないものをしっかりと判別できます。
塩味
酸味や苦味に比べるとそれほど敏感ではないようです。
身体にとって必要な栄養素のため感じることが出来るようです。
猫舌について
人は熱いものが食べられなかったり、飲めなかったりすると「猫舌だから」と言いますが、猫も熱いものが苦手なのでしょうか。
結論から言ってしまえば、猫に限らず食物を調理して食べない動物は40℃を超える食物を口に入れることがほぼないため、熱いものが苦手です。
30~35℃くらいがちょうど猫には食べやすい温度と言われています。
これは狩りをしてすぐの獲物の体温に近く、本能的に「新鮮である」と感じるためと言われています。
猫の舌のしまい忘れついて
猫を見ていると、たまに舌をしまい忘れている時があります。 どんな時に猫は舌をしまい忘れてしまうのでしょう。 |
舌が出やすい猫種
顔が扁平なペルシャやヒマラヤン、チンチラは小さな顎に対して舌が長いため、気が緩んでしまうと舌がはみ出しやすい猫種と言われています。
リラックスしている
野良猫などはあまりないかもしれませんが、飼い猫で飼い主との信頼関係が強い場合は警戒心もなく、リラックスして顔の筋肉が緩みついしまい忘れることがあるようです。
子猫の時から室内飼いで性格的におっとりしている子はよくなるようです。
毛づくろいの後
ずっと毛づくろいをして疲れてしまった時にしまい忘れてしまうこともあるようです。
舌を出したまま寝てしまう子もいるようですが、それだけ安心している証拠です。
病気の時
猫が舌をしまい忘れてしまった顔は微笑ましいですし、たいていの場合はただのしまい忘れですぐに舌をひっこめてしまいます。
ただし、気をつけなければならない時もあります。
・常に舌を出しっぱなしにしている
・咳が出ている
・涎を垂らしている
・口臭が強い
・舌が紫に変色している
・食欲がなくぐったりしている
・呼吸が荒い
・口から出血している
舌を出していることの他に以上のような症状がある場合は、病気の可能性があるためすぐに動物病院を受診してください。
まとめ
猫の舌のザラザラには大切な役割があり、甘味を感じることは出来ませんが、酸味や苦味、塩味を感じることが出来ます。
猫の舌のしまい忘れの顔は可愛いですが、その他にも症状がないか飼い主がしっかり観察してあげてくださいね。